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~褥瘡対策委員会の活動~

ゆうあいの郷では、各種委員会が日々の活動を通して、利用者の皆様が、安全で、快適に過ご

して頂くため、奮闘しております。HPで過去にも紹介しましたが、虐待身体拘束ゼロ、事故

対策、行事、排泄、入浴、食中毒・感染症予防をはじめ、予防苦情検討、看取り、安全衛生、等

多岐に渡っています。

今回は、現在褥瘡対策委員会が現在活動中の利用者の皆様の褥瘡(じょくそう)予防の一環と

して行なっているOHスケール評価について報告します。

まず、そもそも褥瘡とは何かと言いますと一般的には”床ずれ”のことであります。寝たきり、

車椅子上での生活などによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなること で、皮膚の

一部が赤み(「発赤(ほっせき)」)、進行すると内出血や水泡、傷ができることです。重症化

すると皮膚が壊死し、皮下脂肪や筋肉や骨、腱などにまで傷が広がり、治りにくくなり、感染症

により死に至ることもあります。

褥瘡は、持続的に圧力のかかりやすい骨の出っ張った部位にできやすく、仰向け(仰臥位)で

寝ているときに最も発生しやすいのは、体圧のかかる仙骨部(せんこつぶ・おしりの中央の骨が

出た部分)です。また、横向き(側臥位)に寝ているときは、大転子部(だいてんしぶ・太もも

の付け根の外側)などに発生しやすくなります。

褥瘡の原因は、

① 長時間の同一体位、装具などの圧迫、寝具の重みや窮屈な寝衣等、皮膚への持続的な圧迫。

② シーツ、寝衣のしわ、移動時の摩擦、ベッドのギャッジアップ時や座位時のずり落ち等、皮

膚への摩擦やズレ。

③ 下着やおむつ、尿取りパットなどによる皮膚の蒸れ、発汗や排尿・排便時の皮膚の汚れ等、

身体の不潔と皮膚の湿った状態。

④ 栄養不良、血行障害、運動・感覚障害、皮膚や筋肉、皮下脂肪の退化等、身体状態の低下。

以上が挙げられ、ゆうあいの郷職員は、日々約2時間おきの体位変換の実施、ご利用者に合った

クッションの使用とポジショニングの対応、陰部洗浄を含めた排泄介助時の清潔化、食事状態の

把握と、水分摂取の励行等を行ない、OHスケールによる評価から、褥瘡発生危険度の高いご利

用者を抽出し注意喚起するなどの対応を行なっております。

この褥瘡予防においても、色々な委員会、関連部署がしっかりと連携して活動を進めて行かな

いといけないことがわかるかと思います。

OHスケールは、対象者を①自力体位変換、②病的骨突出、③浮腫(むくみ)、④間接拘縮、

以上4つの項目で評価・点数化し、4つのランクにわけることで、それぞれのランクが持つ褥瘡

発生リスクの程度をエビデンス(科学的根拠)によって明確にする評価方法です。この評価によ

り、褥瘡になりやすい人か、なりにくい人かがわかり、対象者に合ったケアの方法に役立ちま

す。尚、OHスケ-ル対象者がどの程度の褥瘡発生危険度を持っているか明確にする「ものさ

し」をまとめた大浦武彦氏と堀田由浩氏のお二人の頭文字をとってOHスケールと呼ばれていま

す。更に、OHスケールのほか、ブレーデンスケールは有名なリスクアセスメントスケールの1

つです。ブレーデンスケールは、「知覚の認知」「湿潤」「活動性」「可動性」「栄養状態」

「摩擦とずれ」の6項目で構成されています。

今回も、長々となりましたが、委員会活動についてその意味含め説明いたしました。OHスケ

ールについて興味がある皆様は、下記の”OHスケール評価資料”をクリックして参照して下さい

ね(*^。^*)

OHスケール評価資料